【陳麻婆豆腐】の麻婆豆腐は、何が違う？“発祥の店”のルールを教えます。食べ方ガイド付き

2024.03.20

1862年、四川省・成都で創業。麻婆豆腐発祥の店として、抜群の知名度を誇る四川料理の専門店【陳麻婆豆腐】。では、“陳”の麻婆豆腐は他の麻婆豆腐と何が違うのか？皆さん、知っていますか。辛さだけではない後引く旨さ、「陳麻婆豆腐」のルールを教えてもらいました。今回は、メニューブックにも記載されている「陳麻婆豆腐」のおいしい食べ方についても紹介します。

この記事の目次

特注の豆腐、ネギじゃなく葉ニンニク、花椒は四川省・漢原産。発祥の味に忠実に
最高ランクの豆瓣醤と、牛ひき肉のそぼろ。少ない食材構成だからこそ、一つにこだわりを
まずはそのまま、香りを楽しんだら、ご飯にのせて。人目をはばかることなく“かき込む”

特注の豆腐、ネギじゃなく葉ニンニク、花椒は四川省・漢原産。発祥の味に忠実に

「陳麻婆豆腐」とは？これについては、卓上にあるメニューブックにもしっかりと記載されています。一つ『1865年創業の老舗「富塚豆腐店」の豆腐を使用』。麻婆豆腐の濃い味に負けず、大豆の味わいがしっかりとしている国産丸大豆と天然にがりのみで作られた木綿豆腐は、神奈川県厚木市の老舗豆腐店「富塚豆腐店」が手掛ける特注品。季節や気温などによって随時微調整を加えながら、固すぎず柔らかすぎず、麻婆豆腐に最適の絶妙な固さに仕上げられています。二つ『具材にはネギではなく葉ニンニクを使用』。発祥の地である四川省・成都でよく食べられている葉ニンニク。伝統的な麻婆豆腐には欠かすことのできない食材です。三つ『花椒（ホアジァオ）は、四川省・漢原産』。卓上にも置かれているペッパーミル入りの花椒は、爽やかな香りと痺れるような辛さが特徴の山椒の一種。花椒は中国全土で作られていますが、その中でも最高級品と呼ばれる四川省・漢原産のものを使用しています。

これが、麻婆豆腐発祥の店の味「陳麻婆豆腐」（1,199円）。辛さを示す唐辛子マークは「3つ」。【陳麻婆豆腐】に来たなら、これを食べずして始まりません。

最高ランクの豆瓣醤と、牛ひき肉のそぼろ。少ない食材構成だからこそ、一つにこだわりを

四つ『味の決め手は、郫県豆瓣（ピーシェントウバン）』。麻婆豆腐の味を左右する豆瓣醤（トウバンジャン）の生産拠点は、成都市郊外にある郫県（ピーシェン）。【陳麻婆豆腐】では、発酵が進んで熟成された最高ランクの郫県豆瓣と、赤色が鮮やかな若い豆瓣醤をブレンドして使用しています。最後に五つ『そぼろは、牛ひき肉』。麻婆豆腐を構成する“八つの味”の一つである「酥（スイ）」。日本語で表現するとサクサクとした食感に一役買っているのが、伝統的な牛ひき肉のそぼろです。以上の五つの条件が、「陳麻婆豆腐」の“陳”たる所以。このルールに基づいて、ここにしかない麻婆豆腐が作られているのです。

麻婆豆腐に使われている食材一つひとつにしっかりとこだわって厳選し、創業時の味をしっかりと守り続けています。

まずはそのまま、香りを楽しんだら、ご飯にのせて。人目をはばかることなく“かき込む”

ここで、「陳麻婆豆腐」の正しい食べ方をお教えします。オーダー時には、「陳麻婆豆腐」と一緒に白飯をお忘れなく。テーブルに運ばれてきたら、まずはそのまま一口。シンプルな「陳麻婆豆腐」の味を確かめます。次に卓上に置かれた花椒を挽いて振りかけて。そうすると、花椒の刺激的な香りがふんわりと漂ってきます。その香りも、ごちそう。　そして、この麻婆豆腐を白飯の上にオン！白米が真っ赤に染まるのを気にすることなく、麻婆豆腐とご飯をかき込んで。この大胆さが、「陳麻婆豆腐」をおいしく味わうための一番の秘訣です。

最後に、【陳麻婆豆腐】は伝統的な四川料理の“本場さながら”の味で楽しめるお店。やわらかくしっとりとした鶏肉に、ピリ辛ダレが食欲をそそる「よだれ鶏」や、「本場四川省のホイコーロー」など、メニューブックには日本人にも馴染みの深い四川料理の名前が並びます。「陳麻婆豆腐」と一緒に、四川料理のダイナミックかつ奥深い旨さを存分に楽しんで。辛さの指標は、メニューの唐辛子マークで確認を。