アンティークジュエリーを知る。【アーツ&アンティークス ミアルカ】の近藤さんにお話を伺いました

ショッピング

2023.11.15

アンティークの意味を知っていますか?ヴィンテージとの違い分かりますか?どちらも漠然と価値のある“古いもの”という程度の人も多いはずです。まずは、アンティークを知る。そして、実際に目で見て触れてみる。アンティークの世界への入口は、すぐそこに開かれています。【アーツ&アンティークス ミアルカ】の近藤さんに、アンティークジュエリーの楽しみ方についてお話を伺いました。

身に着けて楽しめる、似合うものが見つかるアンティークジュエリー

まずは、アンティークとは?アンティークという言葉の意味について教えてください。

「アンティークとは、作られてから100年以上が経ったもの(骨董品)を意味します。100年未満のものは、セコンド・ハンド、ヴィンテージと呼びます。【アーツ&アンティークス ミアルカ】では、18世紀から20世紀初期に作られたジュエリーを中心に、ガラス・陶器・銀器・レースを取り扱っています。ヨーロッパの美術館にあるような上質で珍しいコレクターズピースを扱うお店ですが、オーナーのポリシーで“身に着けて美しいもの”をテーマに商品を選んでいることが特徴のひとつ。英国をはじめ、フランス、イタリア…ヨーロッパ各国のジュエリーがあります。手頃なものから最上質なものまで、価格帯は日本で一番広いかも…」。

アンティークの世界において、英国はどういう(立ち位置の)国なのでしょうか?

「19世紀の英国は産業革命の成功により、世界をリードする最も豊かな国になりました。19世紀初期には貴族や富裕な人だけしか身に着けられなかったジュエリーも、後期には一般の女性も安価であれば手にできる社会になりました。ヴィクトリア女王が64年も在位し、与えた影響も大きいです。アンティークを探すには一番良い国かもしれません」。

アンティークと聞くと、“1点もの”というイメージです。作られた当時も1点ものだったのでしょうか?

「そうですね。時代やジュエリーのジャンルによっても異なるはずですが、今同じものに出会う…ということはほとんどありません」。

※1枚目の写真の商品は左から、「クリソライト&アメジスト ゴールドブローチ[イギリス19世紀初期]」、「ゴールドリング[イギリス19世紀初期]になります。

【アーツ&アンティークス ミアルカ】はジュエリーを中心に、ガラス・陶器・銀器・レースを取り扱っています。他のアンティークショップよりも比較的商品の入れ替えも多く、毎週必ずチェックにくるお客様もいるそう。

―100年以上も前に外国で作られて、誰かが身に着けて、何らかの経緯があって、今はアーツ&アンティークス ミアルカにある。本当にアンティークジュエリーって、縁ですね。

「ミアルカには、オーナーが34年にわたりヨーロッパで直接買い付けたジュエリーが多く並んでいます。時を越えて国を越え、21世紀の新たな持ち主へ、お似合いになる方へとご縁を結ぶのが私たちの役目です」。

商品の作られた年代は、どのように分かるのでしょうか?

「時代によって流行のスタイル(デザイン)があります。石の留め方や金細工における技術も時代により異なりますし、他にも例えば、プラチナは20世紀に入ってから加工ができるようになった金属ですので、素材で年代を予測することもできます。さらに商品にホールマーク(刻印)が打ってあるものがあって、そこから作られた年や場所を知ることも。このホールマークは国によって違って、特に英国はホールマークから分かることが多いですね。商品によっては作られた日付まで分かるマークもあります」。

商品が作られた年や場所を指すホールマーク(刻印)。作られた当時に打たれた刻印を、現代の人たちが読み解く。時代を超えてきた価値を感じます。「ゴールドインタリオリング[バーミンガム1910年]」(220,000円)。

コートを新調したから、ワンピースを買ったから…ファッション起点でアンティークジュエリーを

こうやってお話を伺っていると、アンティークは“コミュニケーション”が大事な世界な気がしてきました。話を聞くことで興味が湧いてきますし、面白さに気づきます。

「オンラインでもアンティークが買える時代ではあります。ただ、私たちがこうやって店舗を構えている理由は、まずは実際に手に取ってアンティークを感じてほしいからです。写真だけでは分からないことがたくさんあります。現代にはない、自分の知り得ない美しいものがたくさんある。アンティークジュエリーの世界では、必ずお似合いになるものと出会えます。実際に目で見て、試着して、大きな鏡で全身を見て、納得したうえでご購入いただきたいと思っています」。

お客様がアンティークジュエリーの世界に足を踏み入れる、買うキッカケはどのような“コト”が多いのでしょうか?

「秋冬のコートを新調したから新しいジュエリーが欲しい、そんなことがキッカケにもなります。例えば、スコティッシュジュエリーはこれからの季節にぴったりのアイテム。その名前の通り、スコットランドで生まれたジュエリーなのですが、ケルト文化の影響を強く受けているデザインが特徴です。元々はキルトの布地を留める小道具として作られた装身具で、スコットランド産のメノウ(瑪瑙)や水晶など地産の宝石を使って作られています。ツイードはもちろん、ウールなど秋冬の素材感の強いお洋服にぴったりのジュエリーかと思います。19世紀大英帝国に君臨したヴィクトリア女王は、ジュエリーを愛しました。ファッションリーダーでもあった女王が好み、万国博覧会で紹介されたことで大人気となったスコティッシュはとても個性あふれるもの。アンティークジュエリーはリアルな歴史とともにあり、古の職人の信じがたい高度な技術で作られていて、知れば知るほどに楽しいです」。

秋冬のコーディネートにこそ映える、スコティッシュジュエリー。スコットランド伝統のタータンチェック柄に合わせるために作られたと聞いて、確かに納得させられます。現代のジュエリーにはない面白さが。

大名古屋ビルヂング3Fの店舗の中でも、個性的かつ厳かな雰囲気が流れる店内。興味のある人は、まずは気軽に“アンティークに触れてみる”体験を。

【アーツ&アンティークス ミアルカ】のオーナーが執筆した、アンティークジュエリーの手引書『ミアルカ~アンティークジュエリーの魅力とひみつ~』(3,520円)。大名古屋ビルヂング店はもちろん、東京・国立西洋美術館でも販売されています。アンティークジュエリーのお楽しみに、お勉強にご活用ください。

※サイト内に掲載されている価格は、
すべて税込価格です。 
※掲載情報は、情報公開日時点のものとなります。
予めご了承ください。

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